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病院長あいさつ


病院長 梶田正文

 平成28年は4月に熊本で震度7の揺れを観測した地震があり大きな被害をもたらしました。多くの倒壊した家屋や、熊本城が受けた甚大な損傷の様子をテレビで観て衝撃を受けました。また、8月には台風により岩手・北海道に大きな被害をもたらしました。これからは日本だけではなく地球規模で温暖化に伴う自然災害に対応していかなければなりません。こうした中で、10月にノーベル生理学・医学賞が大隅良典先生に贈られることが発表されました。3年連続しての日本人のノーベル賞の受賞は大変に誇らしいものでした。大隅先生は、細胞が自身のたんぱく質を分解してリサイクルする「オートファジー(自食作用)」の仕組みを発見されました。今では「オートファジー」を利用した病気の治療法の開発が盛んに進められています。

 さて、8月に日本経済新聞から「日本の医療費は高額 新基準で世界3位 対GDP、OECDまとめ」という見出しの記事が発表されました。平成26年の日本の保健医療支出の対DGP比率は新基準では11.4%であり、世界3位に急上昇しているというものです。その理由について記事では、日本では高齢化に伴い医療費が伸びているだけではなく、OECDが求める最新基準に合わせて介護関係の費用の一部を含めた影響が大きいとしています。もしこの主張が正しければ、わたくしも含めて日本の医療関係者の多くが過去のOECDの報告をもとにして日本の医療は他の先進国と比較して低コストで質が高いと信じてきましたが、その根拠が根こそぎ揺らいだことになります。

 国際比較をするときにはドルが基準となります。平成25年には1ドル97円台の円高であったものが、平成26年には1ドル105円となりました。保健医療支出の対DGP比率を比較する場合には、分母となるドル換算のGDPが減した影響も考慮する必要があります。また、権丈善一慶応大学教授は、「日本のように人口が減少している国の経済成長の目標は一人当たりGDPを用いること、すると、その一人当たりGDPの伸び率は欧米と比べても見劣りせず、しかも雇用面は良好。したがって、日本の経済は別に大病を患っているわけではない。」と話されています。保健医療支出についても、日本の一人当たりの数値でみればまだOECDの平均をわずかに超えているに過ぎません。国際比較の限界を考慮したうえで議論を進めていく必要があると考えます。

 しかし、平成27年度の医療費(概算)は41兆円を超え、過去最高額を更新しました。前年度と比べ1兆5千億円の増加で、伸び率は3.8%でした。この日本経済新聞などの記事と合わせて医療費削減の圧力が強まるのは避けられません。すでに様々な形で国民の医療介護費用の負担を増やすことが議論されています。今後の議論を注意深く見ていく必要があります。

 さて、この1~2年前から研修医や後期研修医の人数が減少してきています。救急外来などで大きな力となっている研修医が減少すると、上級医の負担が増えてきて翌日以降の昼間の診療に支障をきたします。当院の救急外来は休日・夜間診療所ではありませんので、救急外来のいわゆるコンビニ受診は避けていただきますようお願いします。病院としては研修医・医師の確保に引き続き努力してまいります。皆様には今後とも研修医の教育および指導にご理解とご協力をいただきますようにお願い申し上げます。